今だから言いますが、1年半ほど前、貸し剥がしに遭っていました。
時は先上ること4年ほど前に、A銀行から新規取引の提案がありました。
1億円無担保。特別低金利。
非常に魅力的な提案でした。
「いつでも言ってください。すぐに融資しますから」
この言葉ほど、経営者にとって心強い言葉はありません。
足繁く通う担当者に情も移り。
ちょっと借りました。
低金利に魅せられて、また、ちょっと借りました。
借りたお金は、返さないといけません。
返そうとすると、「そんなこと言わずに、もっと融資しますから」と
返させてもらえませんでした。
時は過ぎ、リーマンショック(2008年9月)が起こりました。
自動車の部品をやっている関係から、仕事量はみるみる減りました。。
売上が7割減で資金繰りは、非常に厳しくなってきます。
A銀行の「いつでも言ってください。すぐに融資しますから」
を頼りに融資依頼をしました。
あんなに威勢のよかった担当者がもごもごしています。
とりあえず融資書類は持って帰りました。
それから一週間音沙汰がありませんでした。
「すぐに・・・」が遅すぎるので、問い合わせると、
「本店決済は下りたのですが、支店長決裁が下りないのです。」
との、返事でした。
へぇ~、そんなこともあるのだ。
その後も何度か催促の連絡を入れても「ちょっと待ってくれ」の返答。
数日後ふらっと、支店長がやってきました。
私 「融資の件どうなっているのでしょう?」
支店長 「あれは、無理です。」
私 「???。いつでもOKだと言っていましたよね?」
支店長 「状況が変わり無理です。」
私 「まだ、枠は空いてると思うのですが?」
支店長 「枠は、関係ありません。状況が変わったので、条件が変わります。」
私 「・・・・・・・・。」
支店長 「今後取引を続けていくには、追加担保が必要です。」
私 「話が違うじゃないですか。」
支店長 「状況が変わったのです。」
私 「担保に入れるものはありません。」
支店長 「じゃあ、しょうがないから自宅を担保に入れてください。住宅ローンがついているようなので価値はないですけど」
私 「価値がないのであれば、入れる必要ないですよね。」
支店長 「じゃあ○千万円耳そろえて返せるんでっか。」
私 「よくもそんなことが言えますね。今の状況で返せる訳がないじゃないですか。」
支店長 「あんたの所は、利子しか払ってくれない。殺生や。」
私 「その条件でいいと言ったのは、おたくでしょ。」
支店長 「だから、譲歩して話をしてるんや。どうせ返されへんのでしょ。」
私 「・・・・・・・・。」 頭の中で大きな音がした。
ブチ
切れた
なんと自分勝手な論理なのか。
口元に薄ら笑いを浮かべながら、よく言えたものだ。
どうせ返されないだと
私 「ほかの方法は、ないのですか?」
支店長 「ありません。」
私 「利子だけがだめなら、元本を月々返済していく方法は無理なのですか?」
支店長 「うちの銀行では、3年で返済になりますが、出来ますか?」
ブチ、ブチ、ブチ
切れた
本当に切れた。
はらわたが煮えくり返る を 体験しました。
そのあと、どうやってその場が終わったのか記憶がありません。
その後は、融資課長と担当者しか来なくなりました。
担保なしで月々返済していく方法で落ち着きました。
初めの条件は、7月からの1年間でした。
その途中に、一方的に条件変更の提示がされ月々一定金額返済になりました。
今考えると
7月の契約書を立てに、「条件変更は受けられません。」と突っぱねるのがよかった感じがします。
まだまだ、経験不足でした。
このときの私の失敗は、短期借入だったにもかかわらず融資が続くと勘違いしていたことです。
短期はあくまでも短期。
主導権は、銀行にあります。
銀行の都合でどうにでもなります。
あれから1年半、A銀行の融資は、「耳をそろえて返済」しました。
”どうせ支店長”の「どうせ返されへんでしょ。」は返せました。
友好的関係の金融機関から協力的な融資を受けながら、全額返済させていただきました。
A銀行の担当者に一括返済したい旨を連絡すると「返さなくていいです。」
と、返済を拒まれました。
「いつでも貸します」
↓
「返せ」
↓
「どうせ、むりやろ」
↓
「返してもらう必要ない」
このような銀行があるのも事実。
借り手のことを考えて動いてくれる金融機関があるのも事実。
会社は、お金が回っていないと潰れます。
会社を永続させていくためには、金融機関との友好的関係が必要です。
貸し剥がしは、よい経験になりました。
理不尽なことは起こります。
こちらの都合が通用しないときもあります。
だからといって、嘆いていても解決しません。
乗り越えられない壁は来ません。
あきらめずにやり続けることで壁は打破できます。
経験を積み、進化する経営者へ。
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